風になりたい・極東ツアー・五分後

最近、THE BOOM熱が再燃している。

かつて高校で寮生活をしていた。

同じ部屋だった先輩がカセットに入れて聴いてた「過食症の君と拒食症の私」を聴いて

度肝を抜かれた。

先輩はそれからずっとアルバムを聴いているんだけど、曲によってボーカルが全然

違うように聞こえる。えっ?このバンドはツインボーカルか?と思った。

ある日先輩が吹奏楽部の大会に行って留守にするから、音楽聞いといてもいいよ~

と言ってくれた。

言っては何だが、うちの寮はほんまに厳しくて、こんなことはめったとない。

いい先輩にあたったということだ。

で、早速カセットを見るとラベルに「THE BOOM」と書いてある。

ここでまた2度目のえっ?

『ブームって、ダウンタウンの「夢に逢えたら」にでてたホコ天キングやん!?」と。

そう、私はダウンタウンのファンクラブに入るほど好きだったので、

出るテレビはほとんどチェックして、ビデオにとっていた。

あのころから、矢野顕子さんやYMOが好きだったからそのチェックもしてて、

ブームと矢野さんのコラボも知ってた。

でも、アルバムを聴いたことがなかったのだ!

紅白にもでてたようだけど、寮生活を送って部活三昧だった

から、その頃の世の中の出来事に非常に疎かった。

それから、高校を卒業して初めて手に取ったのが「極東サンバ」。

本当は「フェイスレスマン」を買おうと思ったのだけど、あのジャケット写真が

怖くて(題名もなんだか怖かった)、楽しげな「極東サンバ」を買った。

とりあえず、ブームのアルバム!と思って買ったのが「極東サンバ」だったから、

衝撃はすごかった。イメージがそれまでのアルバムとは違った。

(のちに「フェイスレスマン」を聴き、ライブビデオを見て、ますます

度肝を抜かれ、はまっていったのだが。。。)

大好きな音だった。打楽器、ベースの低音、楽しいだけじゃない詞も大好き。

ミヤさんの詞は、かわいいなかにもとげがあるようなものが好きだったけど、

もっと深みが出て、曲に合わせた詞「TOKYO LOVE」などがあり、高揚感を味わってしまった。

その足でファンクラブに入り、ライブの情報を得る。

ブーム仲間(ブーマー)さんとも知り合った。

その頃はネットもあまり普及しておらず、ファンクラブの人が利用できる

電話の伝言版という方法で、仲間と知り合った。今考えると、ちょっと原始的だけど

声を直接聞くから安心できた。

仲間がまた仲間を呼び、いろんな人とライブ後に飲みに行った。

遠くまでも行った。私の青春。

ブーマー仲間といったブラジル料理やで踊ったサンバは忘れられないな。

沖縄にも足しげく通うことになる。

ブームのライブは、正真正銘の生で大所帯。

今もその形はガンガズンバに継承されてると思うし、いろんな形に

枝分かれしてると思う。

ミヤの声。バンドの音。お客も難しいリズムをだんだん覚えるようになるあの一体感。

舞台装置・照明のすばらしさ。(「島唄」の時は、照明が間奏のとき真っ赤になる。とか、

「風になりたい」の時は会場全体が明るくなって、みんなで歌う。そしてミヤがやったリズムを真似るなど)

そして、目をいろんな方向に向けさせてくれるブームの活動の広さ。

ミヤのラジオで、素敵な音楽に知り合えた。

この影響はもろに受けた。

感謝、そして感謝。

最近、関ジャニの仕分けエイトで、ブームの栃木さんが太鼓の達人をしていて、

「風になりたい」をたたいてた。

かつてミヤは、”日本の街中にこんな曲が流れることを夢見て作った”と言っていたけど、

それから何年もたってメジャーな曲になり、関ジャニさんたちが口ずさみ、太鼓の達人にまでなっている。

サンバのリズムをいろんな人がチャレンジするなんて、すごい。

ファンが妄想していたことが、どんな形でかは分からなかったとしても、

かなっている瞬間なのかなぁと一人興奮していた。

そして最初の題名「極東ツアー」。

私はこのツアーには行けなかった。だからビデオで何回もリプレイしてみた。

この中で好きなのは「五分後」という曲。

コーラスのジュディス・バナル(ミヤがミュージカル「ナガランド」で共演していたというフィリピンの

ボーカリスト。今はどうしてるのかなぁ?)ののびやかな声、途中で山さんが難しいベースのフレーズを

弾きながらミヤに肩を抱かれながら歌う様子、

この時の照明や、バックで演奏するプレイヤーの幸せそうな顔。全部が素敵。

この時、パーカッション隊だけで確か5人ぐらいはいたはず。みんなニコニコでたたいてた。

後ろで踊る南流石さんもニコニコ。

これ以降のツアーは行ったけど、本当にこれは行きたかった。

2000年代に入り、またライブにいけない状態になったのだが、ここにきてようやく

また行ける状態になった来た。

”至福の瞬間を1度でも多く味わうために 僕らはキャラバンに乗ることにした

 終点はだれにもわからないが 右手に東京タワーが見えるから

 どうやら南へ向っているようだ”

「極東サンバ」より

あの高揚感を味わいたくて、またアルバムを聴く。そして、久々のライブに行きたいなぁ。

ザ・ブーム 五分後 Live